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かげろう笠のnagashingのレビュー・感想・評価

かげろう笠(1959年製作の映画)
2.5
時代考証ふくめいろいろガバガバすぎてたじろぐ。渡世人と武士階級(しかも姫や上級藩士)の身分差が、せいぜい「庶民とお金持ち」程度の現代的な感覚でしか扱われず、『街の灯』的な身分詐称の葛藤が完全に骨抜きにされてしまっているのはさすがに難点。盲目の娘を完璧に演じきる香川京子は文句なしにすばらしいけど、長谷川一夫の(例によって)バタバタした芝居は少々うっとおしいし、コントみたいなチャンバラにも脱力する。オープンセット(?)の水車小屋の無駄に凝ったディテール、寺にもどってきた長谷川が香川に悟られまいと忍ぶシーンのスリルとそれをあおる香川の弾く琴などはよかった。
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