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ビッグ・トレイルのすずすのレビュー・感想・評価

ビッグ・トレイル(1930年製作の映画)
4.5
これぞスペクタクル・ムービー!豪華絢爛たるアメリカ西部の絵巻物は御大ジョン・フォード監督『アイアン・ホース』の上をゆく大迫力だ。

ラオール・ウォルシュ監督の史上初のワイドスクリーン映画。フォックスがジョン・フォードの次にフォックスがオファーした監督で、彼はジョン・ウェインを発見する。

ミシシッピからオクラホマまで全米を縦横断する幌馬車の隊列、
物凄いエキストラの人々、
数キロに及ぶ荷馬車の縦列、
バッファローの群れ。
更には、川に流される牛馬に荷馬車に、
ほぼ直角の断崖絶壁から馬車を、牛を人を降ろす場面で目を見張り、
遂に襲い来るインジャンの群れ、平気で裸馬に乗っているインジャン、
馬車で巨大な円陣を組み彼らとの銃撃が繰り広げられます。

撮影は四か月にわたり、全米を転々と渡り歩き、同じ場面を五か国語用に何度も撮影たという破格の大作。
話の展開に流麗さは欠けますが、これぞワイドスクリーン・バロック!
晩年の黒澤明のような完璧な絵作りには、頭が下がる思いです。
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