囚人13号

埋れた青春の囚人13号のレビュー・感想・評価

埋れた青春(1953年製作の映画)
3.5
息が長いせいで、後年はヌーベルヴァーグの連中にコテンコテンに貶されてしまったジュリアン・デュヴィヴィエ監督作品。
しかし彼の変な特長、アンハッピーエンディング(すぐに殺したがるところ)や美女の前では犯罪がうやむやになってしまうところは健在である。いくらエレオノラ・ロッシ=ドラゴでも、感じの良い映画とは言えない。また視点が過去/現在/過去の裁判中/取り調べ中/事件前と飛躍しまくるので感情移入を拒否され、良くも悪くも俯瞰で観ることを余儀なくされる。結構露骨な同性愛者や鬱陶しい少女も出てくるしフランスならではの四角関係、複雑でかなり興味深いテーマだけれど話自体が冴えないので惜しい。

ただ正義感の強い少年の癇癪、父親への幻滅による怒りだが部屋にある物を使って最大限大きな音が出るような暴れかたをしている。どうでもいい事だけどちょっと気になった。
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