青二歳

鉄砲伝来記の青二歳のレビュー・感想・評価

鉄砲伝来記(1968年製作の映画)
4.5
DVD化希望。若尾文子のロマンスはファンとしても不要だが…鍛冶がこんなしっかり撮影されている映画は珍しいのでは!"種子島"鉄砲を見よう見まねで再現した刀鍛冶八板金兵衛の物語。ヤラセなし"プロジェクトX"!刀鍛冶東野英治郎がいい〜味わい。日本工芸史上におけるネジの出逢い!劇場のスクリーンで観る、打つ鉄の赤さ!天然色フィルムならではの色味。うっとり。いいわあ〜。

60年代、アメリカ軍カッチョいい神話を生み出したTVドラマ"コンバット!"のヒーローがカタコトでヒロイン若尾文子と壮大なロマンス。"宇宙からのメッセージ"ヴィック・モローも"コンバット!"ヒーローでしたが…なんかすみません。明と交易してたポルトガル人のはずなのにガッツリ英語。
史実じゃ南蛮船じゃなくて中国船らしいですが、あの特撮シーンはすごいですね。予算の掛け方は知っていても削り方を知らない大映ならではの豪華特撮。ミニチュアの遠景は東宝に頼んだのかな。
後期大映らしい痛々しさはあるけど東野英治郎の旨味で良作の仕上がり。前向きに…一粒で二度美味しいと思うことにしましょう…若尾文子カタコト英語のぐだぐだロマンスパート。ここ削って東野英治郎の男一代記に仕上げて欲しかったけど、まぁエンタメということで。その辺の加減が良ければ超大作大河ロマンにもなり得たかも。さらにネジのくだりを追加してくれたら胸熱。日本って釘を使わない建築とかが発展していたからでしょうか、鉄砲の再現で初めてネジを知り、この時からネジの開発が始まって行くんですね。で、そのネジの作り方を探るため娘若狭をポルトガル人に嫁がせたという伝説があるとかないとか。その辺をモチーフにしたお話なので、ロマンスパートもまあ興味深いといえばそう観れなくもない。

それにつけても東野英治郎って烏帽子…似合う。鍛冶職人の装束着せると本当に居そうです、こういう刀鍛冶や神職の爺さま。
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