桃

シンドラーのリストの桃のネタバレレビュー・内容・結末

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ナチ系映画はいろいろ観ていたのに、まだ観れていなかった名作。
実話というのが驚き。

3時間強ありますが、シンドラーの心情の変化を丁寧に描かれていて、長さを感じることなく観れた。

白黒映画で助かった、というくらい、生々しく死が、迫害が映し出されていた。
ドイツ軍が街に押し寄せて、床下や下水道へ隠れる瞬間、アウシュビッツの駅に着く瞬間、何の謂れもない市民が銃殺される瞬間。
悪夢で詰まった空間で、唯一生へのパスポートとなっていた、シンドラーの工場での勤務証明。
シンドラーの箱舟とも言われている。

もともとはシンドラーはそんなつもりではなかったし、リスクが起きることも恐れていたが、会計士イザック・シュターンが連行されそうになったり、従業員と触れ合ったりする中で、何とか多くの従業員を守ろうと奔走するようになる。

女性好きで、すぐにキスをしてしまい、浮気癖で決して全てが完璧ではないものの、自分軸で守るべき人を守ろうと、アーモン・ゲート所長に近づき、人を許す大切さを説き、アウシュビッツの収容所長にも直に取引をしに走る。

最後には、もっと多くの人を救えたのに、と後悔の涙を流す。
ノブレス・オブリージュを体現した1人の男性の話。

白黒ではありますが、描写の一つ一つが美しい。少女のコートだけ赤く色づいて映し出される。
生命の眩しさがより印象的にうつった。
桃