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シンドラーのリストのtheocatsのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
1.5
史実認識の点は感謝。演出の奇妙な軽さは×

見る機会をことごとく回避し今さらながらの鑑賞。それはシリアス映画におけるスピルバーグの演出に非常に大きい嫌悪感を抱いていたため。

残念ながら本作でも彼特有の演出傾向は変わることはなく、虫けらのごとく銃殺されるユダヤ人の描写場面でもこちらに何らの心痛も疑似肉体痛も生じることがなかった。

心痛や疑似痛覚は程度の差はあれ他のユダヤ人虐殺映画では必ず体験することなので、本作だけ無感覚なのは監督に対するネガ印象が影響しているのかもしれないが、それにしても全編に終始漂う軽量感と深刻味の薄さはいかんともしがたいと感じた次第。

以上はあくまで個人的な感性の問題にすぎず、本作の存在意義は末永く失われることはないだろう。
その意味では高評価としたいが、演出や音楽、モノクロ映像のあざとさに対する強固な反発心が拭えない故1.5の一つ星

せめて言語は現地語にしてもらいたかった。

022012
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