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シンドラーのリストのYのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
5.0
これまでずっと観ずにいたシンドラーのリスト。クラクフに行こうと決めたこのタイミングで意を決して鑑賞。
あぁ、シンドラーのリスト…素晴らしい作品すぎてもう言葉が出ない。

ナチスの人たちとユダヤ人の人たちが交互に映し出される生と死の対比や、白黒の映像の中に唯一現れるカラー赤いドレスの女の子、映画の中で繰り返し読み上げられる人々の名前…どうしたら観ている人を虜にできるか、細部へのこだわりが凄まじくて、やっぱりスピルバーグって偉大な監督なんだなと。ジョン・ウィリアムズの音楽は映像と相まって、気持ちを揺さぶるし、ドイツ語の歌(シャンソン?詳しくなくてすみません💦)やクラシックの音楽など挿入歌の使い方も本当に素晴らしかった。冒頭のクラブのシーンで『Por Una Cabeza』が流れていたのもとてもとても愛おしかった。
他の監督にはこの作品は作れなかったはず。

リーアム・ニーソン、ベン・キングスレー、レフ・ファインズ 名優たちの演技も本当に素晴らしくて…
シンドラーが終戦時に自分の過去の行いを悔やむシーンは頭が痛くなるほど号泣した。

正義の人として生きていれてるのか不安になったらこの作品を振り返るようにしようと思う。

感想書いてる今も思い出すと涙が止まらなくなる。

最近、戦争と平和や歴史について考える時、映画が担う役割の大きさを感じる。
ホロコーストについてはドキュメンタリーの作品をいくつか観たけれど、言葉の誤解を恐れずに言うと、あのとき起こっていたできごとが惨すぎてとても見た映像がリアルに思えず、客観的に捉えてしまう。でも映画だとそこに映る光景に感情移入ができ、より主観的に心を動かしながら起こった出来事を捉えられる。あらためて、人間が残した過去を、観た人の心にグッと刻んでとどめる、本作のような作品を大切にしないといけないなと感じます。
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