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シンドラーのリストのちのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.9
ナチスによるホロコーストを描いた映画。
映画は全編モノクロで描かれていて、1940年代当時のリアルさを感じられるとともに、何やら不安を掻き立てるような、そんな感覚もありました。
そんなモノクロの中でも、赤い服を着た女の子が印象に残っています。

映画の内容は、序盤、シンドラーは金儲けの為に人を回すのが上手い人だなと見ていましたが、事態が変わっていくに連れて、シンドラーの心情の変化が見て取れました。
無一文になってもユダヤ人を救い続け、車を売れば10人は救えた…バッジを売れば2人救えた…と涙ながらに訴えた姿は本当に感動しました。
人間、追い詰められたら本性が出ると言いますが、シンドラーの場合は、慈悲深く、政府が何と言おうと揺るがない自分の信念を持っている"強い"人だったことが分かり、本当に尊敬しました。

また、ホロコーストの描写もリアルで、収容所での虐殺や、健康かどうかの仕分け、死体焼却のシーンなど、ドキュメンタリーかと錯覚するほどでした。

最後に、ナチスの支配下にあるドイツ人でありながらも、自らの危険を顧みず、ユダヤ人に手を差し伸べる人がいたというストーリーが、事実であることに驚きました。
戦争映画は、戦争という極限状態の中で起こる、事実を基にしたヒューマンドラマを描いてあることが多いため、歴史を学ぶこともでき、考えさせられることも多いです。
もっと多くの戦争映画を鑑賞し、当時の様々な立場の人たちに目を向けたいです。
ち