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フール・フォア・ラブの一のレビュー・感想・評価

フール・フォア・ラブ(1985年製作の映画)
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アルトマンにとっては『わが心のジミー・ディーン』『ストリーマーズ』に続く舞台劇の映画化で、デヴィッド・ブレスキンによる監督インタビューによれば、「わたしの最高作のひとつ」「あれはすばらしい映画だと思う、本当に気に入ってる。構造自体いいし、中の演技がいいし、映画全体とてもいい。奇妙な味があるところが。だけどサムはただ嫌な奴だったんだ。なぜかは知らないが。」だそう。主演のサム・シェパードが書いた戯曲が元なので現場主義の監督との間で多少軋轢があったんだろうが、アルトマンの言う通り面白かった。限定的な空間の中で少ない登場人物たちの不穏な関係性がフラッシュバックと共に徐々に明かされていく構成で、始めから居るには居るが何者なのかわからないThe Old Menことハリー・ディーン・スタントンがさすがの存在感。そして突如現れて銃ぶっぱなす女…。建物が燃えて終わる映画は大体イイ。
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