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7つの贈り物のKKのレビュー・感想・評価

7つの贈り物(2008年製作の映画)
3.5
7つの贈り物。

序盤から中盤にかけて、物語の繋がりやタイトルの意味が全然分からず、ウィル・スミスが自分勝手に他人に幸福を押し付ける作品かと思ってた。だけど、徐々にベンの過去が見えてきて、ああ、そういうことかと。ベンの思考や感情を理解してきて、やっとベンの行動の意味が分かった。
ベンの行動の意味は理解できたが、それに共感できるかどうかはまた別問題だとも思った。ベンの自己犠牲的な行動は、相手からしたら恐怖を感じる場合もあるだろう。ベンの勝手な懺悔を受け取った彼らは、単純な感謝だけで済むのだろうか。人の命を犠牲にして受け取った命で幸せになることができるのだろうか。そこにベンの命という重荷を増やしただけではないのか。
ベンが助けた人々もまた、ベンにとってのいい人にしか過ぎない。ベンが救う人をベンが決めるのは何の問題はないが、ベンがまるで人を裁くように「良い人」「悪い人」を決めていく姿は、若干の違和感を感じた。
こういう映画にはよくあるような気がするが、人の一面を見て「善人」「悪人」に一般化して表現する。他人を傷つけたら悪人、人からの罵倒にも我慢したら善人。

人がどう生きるか、その答えは人によって違うはずなのに、映画の主人公という絶対的な存在によって、「何が正しいのか」が決められてしまっているように感じた。

穿った見方なのかもしれないが、自己犠牲は美しいという価値観の押し付けがあるように感じてしまった。

自分が犯した罪と罰、罪を背負ったままどう生きるのか、、、人としてどう生きるべきか、と問われているような気がした、、、


2021年の最後に観た映画でした。
KK

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