おなべ

7つの贈り物のおなべのレビュー・感想・評価

7つの贈り物(2008年製作の映画)
3.8
◉What if…。

◉国税庁に勤めるベン・トーマスは、とある条件に一致した7人の候補者を探し始める。ベンは該当の人物をじっくり観察しては、何かを確かめていた。そんな彼には、どうしても拭いきれない過去があり…。

◉『幸せのちから』『パパが遺した物語』の《ガブリエレ・ムッチーノ》監督作品。主演は第94回アカデミー賞にて〔主演男優賞〕を獲得した《ウィル・スミス》。

◉人はなんのために生き、なんのために死んでいくのか。簡単には量れない、命を扱った重厚なヒューマンドラマ。

◉序盤は不明瞭な部分が多く、話が全く見えてこない。中盤〜話が進むに連れて、徐々に物語の全容が見え始める。終盤〜衝撃の結末に胸を打たれ、my eyesから涙が流れ始める。ENDクレジット〜賛否が分かれる感慨深い内容だったため、余韻に浸り始める…以後省略。

◉《ウィル・スミス》の安定感抜群の好演。主人公ベンの抱える葛藤を、目の動き、表情、動体演技に至るまで、とてつもない表現力で体現していた。

◉モラルを問われるような重厚なテーマ。個人的には、主人公ベンの選んだ選択に感動して心が震えたけど、捉え方によっては善意の押し付けに見える気も。ただ1つ言えるのは、その善し悪しを決めるのは他ならぬ自分自身。そう即ち、本作を観てどのように感じ、何を思ったかが重要なのである。

◉人は必要な時に、必要な人と出会うべくして会うと聞いたことがある。その出会いには必ず意味があり、意味や価値のない出会いなど無いと。本作も同様に、出会うべくして出会った人々の物語だと思う。これが正しいとか、正しくないとか、そんな事はどうでもよくて、本当に大切なのは作品の随所に描かれている。












【以下ネタバレ含む】













◉《ウィル・スミス》は『アイ・アム・レジェンド』の時もそうだったけど、映画の設定で必ず愛する家族を事故で失う運命にあるのかな…。

◉「もしも…」ベッドの上で語り合った、叶う事ない明るい未来を想うと、切なすぎて堪らなくなった。

◉中盤、エミリー&イッヌと草原で戯れるシーン、その後に1人で来て嬉しそうな表情を浮かべるベンの顔が忘れられない。
おなべ

おなべ