千年女優

カーズの千年女優のレビュー・感想・評価

カーズ(2006年製作の映画)
3.5
車が人格を持って文明を築く世界。注目度の高いカーレース「ピストン・カップ」で優勝を争う新進気鋭のレーシングカーで、驕りからクルーやスポンサーにぞんんざいな態度を取るマックィーン。会場移動中に誤って寂れた田舎町ラジエーター・スプリングスに迷い込んだ彼が、地元の車たちとの交流を経て成長する様を描くアニメ映画です。

『トイ・ストーリー』後着実に足跡を刻むピクサー・アニメーションが長編映画第七作として暫く他に監督を譲っていたジョン・ラセターの指揮で制作した2006年公開の作品で、絶賛の続いていた過去作に比べて物語面でやや評価は落ち込んだものの流石のアニメーション技術で観客を呼んで全世界で4.6億ドルを超える興行収入を獲得しました。

『きかんしゃトーマス』の系譜に連なる乗物擬人化とCGアニメとの相性の良さを発揮して、やや車離れしているものの生活感とレースの迫力を両立させます。小ネタとは言え人種メタファーは悪趣味な印象を抱かせるところがあって、主人公の成長物語としても説得力に不足感はありますが、郷愁を抱かせる心温まるお話で共感を誘う一作です。
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