ロボット設計士でシングルマザーのグレイスは、突如、見知らぬ男達に誘拐、監禁される。何故誘拐されたのかもわからぬまま、粉々にされた電話回線を懸命に修復し助けを求める。奇跡的に繋がった電話に出たのは息子を見送りに空港に向かう普通のサラリーマンアボンだった…というストーリー。
香港がハリウッド映画「セルラー」をリメイクした作品です。ハリウッド映画を香港映画がリメイクするという珍しい形の映画ですが、いやぁ～面白かった!
大まかな筋書きは「セルラー」の筋書きそのままですが、それでも楽しめました。
特にリメイクにあたってパワーアップしたアクションシーンはド迫力です。最初の娘を誘拐した一味を追いかけるカーチェイスシーンと、逆走して次々周りの車事故らせて、飲み物大量に積んだトラックに突っ込んでひっくり返るクラッシュシーンは凄まじかった。途中工事現場のシートかぶさったまま進んで、作業員のオジサンたちがそのシートに引っ掛かって引きずられていく所は笑ってしまいました(笑)オリジナルよりも被害広がってないか(笑)崖に引っかかった車からの脱出シーンもベタながらハラハラさせられました。あそこでアボンのあげる絶叫は胸にくるものがありました。
携帯ショップでのやりとりは笑えました。あの店員はムカつきますね～(笑)オリジナルよりもムカつき度上がってたかも(笑)
主人公のロボット技師という設定も最初の電話を修理するシーンにオリジナルの生物教師設定よりも説得力を持たせています。後、こちらでは夫は亡くなっていてシングルマザーになっていて、子供も息子から娘に変更されてます。
主人公を助ける男が今時の若者からシングルファーザーの気弱なサラリーマンに変わっていますが、オリジナルの元カノに責任感持たないガキと言われる様なチャラい若者が必死で頑張る姿も良かったですが、こちらのサラリーマンが散々な目にあいながら頑張る姿のほうが感情移入度が高かったです。こちらでは息子との約束をいつも守れず、空港に見送りに行くという今回の約束は何としても守ろうと向かっているときに事件に巻き込まれて、息子との約束を守れるかどうかという要素もあってそちらでもハラハラします。でも、途中息子との約束忘れてるように見える所あったな(笑)まあ、そんな余裕もない事態になってたんだけど。空港で息子の姿目にするけど、その前に悪党リーダー立ってて姿見せる事が出来ず、父親が現れなかったことに泣きじゃくる息子を涙流して見るしかないシーンはキツイですね～。
オリジナルでジェイソン・ステイサムが演じていた悪党リーダー演じるリウ・イエも負けず劣らず冷酷で憎らしさ溢れる悪役ぶりだったと思います。
ウィリアム・H・メイシーが演じた刑事役のニック・チョンもオリジナルに負けず劣らずカッコよく、終盤の空港での戦いでも格闘戦など見応えあり米S田。
後半の戦いの舞台がオリジナルの港から空港に変わっていて、オリジナルでは最後の戦いはハラハラさせられますがそこまでアクション無かったですが、こちらは空港の倉庫でフォークリフト乗り回して追い掛けたり、格闘戦繰り広げたり、鉄骨の足場の上で戦ったりとアクションシーンも盛りだくさんで大いに盛り上がりました。
ラストはオリジナルの「もうかけてくるなよ」をそっちが言うの！？と思いましたが、その後もまた一味違うオチになっていて、こちらも良かったな。
オリジナルよりも尺が長くなった分、ちょっとテンポがゆったりに感じられる所もありましたが、こちらも負けず劣らず楽しめる娯楽作ですね。「セルラー」を見た人は是非こちらもご覧下さい。
