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ラストムービーのNTKのレビュー・感想・評価

ラストムービー(1971年製作の映画)
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なんかすごい映画見たな…終始カオスと言えば簡単だけど、物凄く雄大なペルーの原風景、そのMVみたいにキマった画の上にカントリーソングがかかったと思えば急にブッツリと切れるシーン割、そしてばっくりと飛ぶ時間…

フォロワーさんが「地獄の黙示録」のイメージ元では?という説を挙げていたのが興味を引いて観たけれど、そう考えるとスッと解像度が上がった気がした(?)でも特に地獄の黙示録っぽさを感じたのはアメリカ人(白人)が村にもたらした映画(狂騒)についてのシーン、カンボジアの奥地でカーツが己の帝国を築いてしまったように、ラストムービーでは映画制作という行為が村人を感化させて村ぐるみの架空の狂騒へと伝播するって点だよね…

劇中で何回か流れる「Me and Bobby McGee」、歌詞中で「自由というのは失うものが何もないという事」ってのがカンザス=アメリカの象徴でもあったのかな〜(?)とか、最初こそは撮影クルーの狂騒っぷりに相当参ってしまい、ペルーの自然と現地での恋人マリアに癒しを求めているように見えたカンザスも、金鉱脈への執着やアメリカ人夫妻との同郷の「アメリカ人」とのやり取りを重ねているうちに、段々恋人のマリアを蔑ろにし始める辺りなんかは映画に感化されて暴走した現地住民たちの行動とカンザスが対になってた気がしたな〜

観終えた時はなんじゃこりゃ…って感想しか浮かばなかったのに後から後から考えが湧いてくる不思議な映画…、ラスト付近のサブリミナル的に挟まれるデニス・ホッパーの笑顔が目に焼き付いてしまっている☺️
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