喜連川風連

ラストムービーの喜連川風連のレビュー・感想・評価

ラストムービー(1971年製作の映画)
3.0
デニスホッパーの幻の映画。

ハリウッドが門外不出とした理由も分からなくないが、作家性全開で大変良い。

映画はウソだ現実をみろ!という映画はたくさんあるが、映画撮影を過剰にやることで、現実をぶち壊す映画は初めて観た。

冗長なシーンが多く、大半は退屈だが、ドラッグシーン・ジャンプカット・映画に取り憑かれた村人の狂気は白眉。

映画撮影をやり過ぎた最後に行き着く奈落として付けられたタイトルは「ラストムービー」
上映されてたらそこそこヒットしたのでは?

祭りのシーンをヒッピーカルチャーの終焉になぞらえていた人もいて、面白い。

映画は一種の祭りかもしれない。

「神の物語=脚本」があって、人が死ぬと書かれても決して撮影で死ぬことはない。
お祭りも昔は生贄を捧げていたが、現在、人が死ぬことはない。

村の人々が、映画撮影を「祭り」として、形だけ模倣していく様は痛烈に皮肉が効いている。
喜連川風連

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