明るめのロック・ミュージカル映画かなと思ってたら割と哲学的なテーマで愛と性と人間を考えさせられる展開で重みがあったけどヘドウィグのキャラクターが魅力的すぎて素晴らしかった。
劇中の曲がどれもめちゃくちゃ良かった。キャッチーなメロディラインと特徴的な低い声とハイトーンのコーラスとボウイやイギー・ポップとかも彷彿とさせるようなポップさがあって、さらに綴られてる歌詞の衝撃性も含めてとても良かった。最初にOriginOfLoveがかかったときが絵も歌詞も含めてやはり印象的だった。
ヘドウィグの語りとそこからPVのように始まるライブシーンの描写とのバランスがめちゃくちゃ良くてミュージカル然としたミュージカルって感じではなくて楽しめた。
ヘドウィグの美貌がとんでもない美しさでかつキャラクターが洗練されてて、身体の撮り方もとても魅力的にみえるような撮り方でグッときた。
ロックンローラーのお話だと酒、クスリ、暴力、男みたいになるところを自分自身の起源とは、愛とはというストーリーで代替していて一辺倒なロックンロール映画とは違うアプローチで新鮮だった。所々にユーモラスでちょっとサイケ入った描写もありつつもミュージカル映画としてのリズム感とテンポもしっかりあって、さらにジョン・キャメロン・ミッチェルが魅力的なのもあるから考えさせられつつも普通に面白かった。