午後

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチの午後のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

昔、人間は二人で一つだった。男と男、女と女、男と女。顔が二つあるから、話しながら読むこともできた。巨きな4本の足で地上を歩き回った。欠けるところのない自分の姿に満足しながら、おそらくふたつの顔で同時に笑った。初めから一つだったから、彼ら/彼女らは愛を知らなかった。寂しさもきっと知らなかった。彼ら/彼女らは歌を作っただろうか?しかしゼウスの稲妻で、その体を引き裂かれて以来、人間はかつての半身を求めて、いつまでも彷徨うことになった…
プラトンの『饗宴』に出てくる「愛の起源」の挿話を脚色した物語から映画は始まる。もしもゼウスの怒りによって、人間が二つに分けられなかったなら、愛がこの世になかったら、この映画も始まることはなかっただろう。音楽が鳴り出すこともなかっただろう。
えー、この映画は、愛の映画で…愛は………
………この映画の、根底に哀しみを湛えたド派手な愛に食らってしまって、上手く感想がまとまらない。好きなシーンはたくさんあるし、一つ一つの言葉が詩だった。弱さゆえに逃げ出してしまっても、形を変えて、そばにいるわけではないけど、もう一度あなたを作り変える、普通ではないかもしれない形の愛に溢れたこの映画の中でも、それはとりわけ愛だった…
また何回か観直して、そのうちに感想を書くつもりです。
午後

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