Kota

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのKotaのレビュー・感想・評価

3.8
“メイクをして、8番トラックを流して、棚からウィッグを取り出してつければ、もう私はステージ上のロックスターなの。”

トランスジェンダーとして東ベルリンに生まれた少年はオーブンの中に頭を入れてラジオでアメリカのロックを聞いていた。少年が育ち青年になると、アメリカの軍人にナンパされてアメリカに駆け落ちする事に。その時男性器を取る手術に失敗し、1インチだけ残ってしまう(のちのバンド名アングリーインチ)。アメリカに移住するもすぐに軍人には逃げられてしまう。食いつなぐためのベビーシッター先で出会った17歳の少年と恋に落ち、ロックとは何かを教えるが、その少年もヘドウィグが元男であることを知ると愛想を尽かしてしまう。そしてヘドウィグの曲だけが盗まれてその少年はロックスターとして大ヒットしてしまうのだった。新たにバンドを組むも全然売れずに場末のバーで演奏する日々を送っている。

このつらつらと書くだけでも波乱すぎる彼(彼女)の半生を、ポップなロックに乗せて歌うこの映画は、ありのままで生きること、自分らしく生きることを教えてくれる。耳を塞ぐ人がいたって関係ない。これはヘドウィグの魂の物語。とりあえず曲が全部めちゃくちゃ良くてビビるよね。トレーラーで“wig in a box“を歌うシーンのみんなの笑顔が素敵すぎて、そのシーンだけでこの映画観た甲斐があった。トミーがヘドゥィグの下着の中に手入れた時、音楽止まるシーンめちゃ好き。(笑)
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