April01

ハリー・ポッターと賢者の石のApril01のレビュー・感想・評価

4.1
ジョン・ウィリアムズの音楽が世界観に合っていて、魔法の世界の魅力と壮大な世界観を美しく彩って効果的。
原作をそのまま違和感なく映像化したことはシリーズの始まりとして大成功。
その後続く作品の土台として礎を築いた功績は大きい。

原作読みながら再鑑賞。

何度も見ているけれど、改めて冷静に観察すると、寮ごとに点数競うのに、点数つける人がそれぞれの寮の担任というのは、やはり無理がある。

特にマクゴナガル先生はグリフィンドールひいきしすぎだし、クィディッチ勝ちたいからニンバス2000プレゼントもズルいなと思ってしまう。

本来なら箒の練習中に勝手な行動したから減点なのにマクゴナガルはオリバー・ウッドを呼び出してシーカー見つかったとエキサイトする場面は特に違和感。
翻って常に悪者扱いのスリザリンが可哀想になる。
そもそも悪カラーに染まるのが運命みたいな印象のスリザリンを魔法使いとして育成するという点に矛盾があるし、寮を決める帽子の基準も作為的。

一番見てられない気持ちになったのは、最後の優勝をアナウンスする時の校長のやり方が意地悪すぎて!教育上それはありなのか?酷いな~とさらに微妙な気分。

子供向けの童話と思えばこれくらい分かり易いのがちょうどいいと思えば納得だけど。

みんなハリーを特別扱いしすぎてドン引き。
とはいえ、原作では、別の意味でもっとひどいことが描かれているからむしろ映画は意図的にストーリーを単純化している点もある。
例えば、映画では省かれているけれど、ノーバードをルーマニアのチャーリーに送るドタバタ劇。
その件でマクゴナガルに-150点減点されクィディッチでヒーローになったはずのハリーは手のひら返しでみんなから冷たくされる。関わったロンもハーマイオニーも仲間外れにされる。
グリフィンドール内だけでなく他のチームもスリザリンに負けて欲しかったから、ハリーたち3人に冷たくする。しかもそのやり方は無視という形のイジメ。酷い!
原作ではいったんそこで落とされてから最後に上がるというハリーの浮き沈みがあるからこそ、ハリーに感情移入できるものの、映画ではマグルの世界でダーズリー家で酷い目にあったところが一番低くて、その後は上げっぱなしという流れなのが気になるところではある。

あと全体的にCGが今見るとやや見劣りするかな。特にクィディッチの場面は合成感がありすぎ。

とはいえ、この世界を創造した原作は英国が世界に誇れる文化財の1つと言っても言い過ぎではないと思うし、それをほぼ忠実に映画化した本作もお見事。
April01

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