モモモ

劇場版 空の境界/第二章 殺人考察(前)のモモモのレビュー・感想・評価

4.0
一章から時を遡る第二章。
学生時代の殺人物語。
「俺」と「私」が存在する式。一章で仄かに描かれたロマンス関係の始まりを描くが、明確な答えは提示してくれない。
オタクの考察と行間の深読みに委託した「前編作品」故の放り投げた思い切りの良さが気持ち良い。
二人の式がどうなって1998年の姿に至るのか、最後の凶行と涙は何だったのか、そもそもの連続殺人は誰の仕業なのか、何一つ答えを明かしてくれない
一本の劇場作品ではなく、連続した物語としての旨味はドラマシリーズ的で、OVA的である。
良いとこのお嬢様で兄よりも才を受け継いだ剣術を会得しているヒロイン…学校という日常と殺人にオカルトな非日常…奈須きのこの好みドカ盛りというか…型月作品ってそういうジャンルなんですね…との感覚が深まってきています。
押しが強すぎて何を言われてもへこたれない黒桐はストーカーすれすれ。好意的に解釈すれば、諦めないど根性と一途な想いを抱く理想的な恋愛物語の主人公だ。
しかし古びないアニメですね。15年前の作品なのに。自分が古いオタクになってきただけかもしれませんが。
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