真魚八重子

蘭光生 肉飼育の真魚八重子のレビュー・感想・評価

蘭光生 肉飼育(1987年製作の映画)
5.0
素晴らしい。男根恐怖症でありつつ、性に執着してしまう女の、多岐にわたる妄想。セックスがしたいのに、あの不気味なものが侵入してくるのが耐えられないという葛藤で苦しんでいる。ケーキを突き破ってくるシーンの想像力。
彼女が通うセックス問題専門の心理カウンセラーも、父親がSMで事故が起こって亡くなった過去がある。そのことが、血筋となっているのか苦悩にさいなまれている。
主人公二人が結ばれるまでは時間がかかる代わり、一気に耽溺して、もう破滅の予感しかしない。海に面してヒロインが拘束されているシーンでは、なんだか泣けてしまった。そこで起こる悲劇の黙殺っぷりもかっこよすぎる。
ラストのスパーク。あまりに純粋な性愛の行きつく涯。
真魚八重子

真魚八重子