なな

天国の本屋〜恋火のななのネタバレレビュー・内容・結末

天国の本屋〜恋火(2004年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

“クビってことですか?”
“俺はまちやまくんのピアノ嫌いじゃないけど、そうじゃない人もいるからさ。”

(地下の本屋さん
“ここってどこですか?”
“天国。”

“人間の寿命というものはジャスト100歳に設定されておる。ところが、誰もが100歳まで生きるとは限らない。そこで、残りの人生を全うするための場所が天国ということになる。80歳で死んだ者は20年…ここで生きることになる。そして合計100年生きると天国の記憶は一切消されて現世に新しい命として生まれ出るということだ。”
“心配するな、君はまだ死んどらん。ただの短期アルバイトだから、気楽にやってくれ。”

“こっちではね、見た目はずっと死んだ時のままなの。”
“じゃあ、中身は?”
“うーん、人それぞれ。成長するもしないも本人次第よ。”

“天国ではね、生前親しかった人に会えないことになってるの。死んだ家族や恋人に会いたくて自殺する人が増えたら困るでしょ?”

“うちのじいちゃん102歳まで生きた。寿命が100ならうちのじいちゃんどうなるんだよ。”
“そういう場合は天国を素通りしてその生まれ変わりの人は現世で同じように生きてる。おじいちゃん102歳、だとしたら、その生まれ代わりの人はあちらで2歳になった。納得していただけたでしょうか?”

“何でみんな本を読んでもらいにくるんですか?”
“うーん、どうしても人に読んでもらいたいときってない?思い入れが強くて一人じゃ読みたくないとか、言葉を字じゃなくて音で聞きたいとか。”

“会いたい会いたいと思ってればいつか会えるもんなんだな。”

“リハビリ中なんだよ、ゆいは。”
“ごく稀にだけどね、現世の心の傷をこっちへ持ってきちゃうやつがいるんだ。そういうやつのリハビリするのもここの役割だから。自分で命を絶とうとしたやつが多いけどね。”

(ゆいちゃん。
本が嫌いなの。私が弟を殺しちゃったから。
母子家庭。大好きな彼ができて、彼も仕事が忙しくて、小さな弟を寝かしつけた後にほんの少し会ってた。けれど、ある日寝かしつけて家を出た後、お姉ちゃんと叫ぶ弟の声がして振り返るとパジャマで飛び出した弟がトラックに跳ねられた。。
“私、死んで弟に謝りたかったの。それでビルの屋上から飛び降りようとした。だけど、飛び降りる前にやまきさんにここに連れてこられた。”
“死んでないの?”
こくん。

(恋する花火か。素敵だなぁ。
切ない、キラキラしてて、不思議。
なな

なな