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二十歳の原点のkojikojiのレビュー・感想・評価

二十歳の原点(1973年製作の映画)
3.5
1973年 日本 監督大森健二郎
キャスト:角ゆり子、地井武男

 高野悦子さん。立命館大学生、20歳。
 忘れられない作品だ。この本で「シアンクレール」を知った。

 学生運動で授業も、試験もままらない状況の中で、友人達、アルバイト先の恋愛相手とも、そして次第に家族とも、自分との繋がりを感じられなくなった。
 学生運動に挫折し、一番欲しかった「連帯感」を感じることも出来なかった。それが漠然ととした自殺の原因だろう。
この映画では、そう言っているようだ。
大方はそういうことなんだろうと思う。

 京都の「京一会館」でこの映画は観た。40年以上も前のことだ。
 今日、DVDを久しぶりに取り出して鑑賞した。

 当時違和感を感じた角ゆり子の演技も笑い方は少し気になったが、全体的に割とすんなりと、違和感なく高野悦子さんとして観れた。

 「旅に出よう
  テントとシュラフの入った
  リュックを背負い
  ポケットには一箱のタバコと笛を持ち
  旅に出よう
  出発の日は雨が良い
  霧のように柔らかい 
  春の雨の日が良い
  ・・・」
  
 「詩人になりたい」と映画の中で彼女は言っている。
 自殺の直前に書いた、最後の詩は心に沁みる。
 70年代の映画の匂いが濃い。

#2022-101
死ぬまでに観たい映画マイベスト1000-26
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