ハミングバード

二十歳の原点のハミングバードのレビュー・感想・評価

二十歳の原点(1973年製作の映画)
3.3
「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」は、あまりにも有名(だった時代がある)。既に文庫化された原作を読みそしてほどなくして映画を鑑賞したと思う。私が大学生に憧れた原因のひとつであった作品なのは間違いない。京都の「しあんくれーる」に行き「ホットコーラ」を飲んだのももう遠の昔になってしまった。学生運動の記述の他に宇都宮の進学校から学生の街京都でひとり暮らしをした女子大生が、学生運動に心の底からはのめり込むことが出来ず、恋愛しては裏切られ、最期は私鉄電車に投身自殺してしまう自分の心の成長についていけない苦悩する姿が描かれる。まだ中学生の頃にはこれこそが大学生だと思ったものだ。そんな大学生らしい風情が彼女の通った広小路の立命には当時溢れていたが、時代も変わり既に学生運動の匂いはマイナスイメージとばかりに、滋賀県のびわ湖に去ってしまったのが残念です。百万遍や今出川ではまだまだ昔のままなのにね。それが京都の良さでもあるし。Rよりも安心立命。それにこの作品の音楽は当時日本のプログレと呼ばれた『四人囃子』が担当し、今でもCDで聞くことが出来ます。
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