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羊たちの沈黙のrensaurusのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.4
1人の人間の言動による画面支配力が、レクター博士に並ぶキャラクターはそういない。

クラリスとのやりとりがこの映画の醍醐味と言えるほど、知性や洞察力において遥か上を行き、全てを理解した上で異常を楽しんでいるような怪しさが、もはやこの映画全体から滲み出ている。

細かなやりとりに人間性や意図を想像させる演出が素晴らしく、ミスリードも効果的に使い、後半では暗視レンズの映像も用いるなど映画としての遊びもあり、広さも深さもあるような映画だった。

レクター博士の脱獄シーンは人間を知っているからこその知性とハンニバルという異常さが行動として現れるシーンであり、対話シーンのフリが効いていることもあって気持ちよささえ覚えるほどの脱獄劇だった。

サイコパス、サイコスリラーのイメージを確固たるものにしたと言う意味でもまさに傑作と言える作品。アンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターの演技は必見。
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