ダイナ

羊たちの沈黙のダイナのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.5
連続殺人事件捜査に参加するFBI訓練生と助言を与える猟奇殺人犯の交流を映したサイコサスペンスの傑作。

教養深く紳士的な佇まいに洞察の深さを現しながらも、ガラスや檻を一枚挟んだとてこちらが安全圏とは言い切れないと思える不安を感じさせてくる危険な存在感を発揮する猟奇殺人犯レクターを演じるアンソニーホプキンスの素晴らしさもさることながら、レクターに相対するFBI訓練生クラリスの強かに振る舞うが故に現れる精神的弱さを自然に見せるジョディフォスターも素晴らしい。殺人事件の捜査過程も見所の一つではありますが、真実に迫っていく中でレクターとクラリスはそれぞれ何を求めているのか、という点が明らかになっていくストーリーがとても面白いポイント。あと不謹慎ながら死を芸術的に彩る所も本シリーズの魅力の一つと思っていてそこまでの展開の畳みかけも合わさってエンタメな気持ちよさがあります。精神的・肉体的に痛ましい描写は濃く人を選ぶのは間違いないものの、サイコサスペンスの代表位置、映画界のシリアルキラーアイコンとなったハンニバル・レクターは是非観てもらいたいです。
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