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羊たちの沈黙のぜんのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.2
【目には目を。犯罪者には犯罪者を】

主演のアンソニー・ホプキンス演じる
猟奇的な人食い連続殺人鬼
"ハンニバル・レクター"

※彼の名とハンムラビ法典という言葉が似てたのでこのタイトルにしたのではありません。

猟奇的な犯罪者。その思考や心情は
正常な人間には分からない。
ただ、犯罪者には犯罪者の心理が分かる。

以前『ザ!世界仰天ニュース』で見た
毒殺魔の囚人が薬物への知識の深さから
人の命を救うという話を思い出した。
知識や才能も使い道が大事だなと
思いました。

調べてみたらYoutubeでも観れました。
『救世主は天才犯罪者』
というタイトルです。
興味がある方は観てみてください。

*あらすじ*
若い女性を殺害し、皮を剥ぐという残忍な
連続猟奇殺人事件が発生。

かつて人喰い連続殺人を犯して収監された
元精神科医ハンニバル・レクターに事件解決のための協力を求めた。

しかし彼は強力に応じようとしない。
そこで白羽の矢が立ったのが、
FBI訓練生クラリス(ジョディ・フォスター)であった。
彼女は容姿端麗に加え、頭脳明晰、
誠実で思慮深い女性であった。
レクター博士は彼女を認め、
連続殺人に協力することにする。

ただし、1つ条件があった。
「彼女の個人のことを聞きたい」
というものだ。

レクターの情報提供により犯人を
捕らえることはできるのだろうか。

彼女の過去と事件との関連性は。
『羊たちの沈黙』の意味は。

*総評*
まず俳優陣に関して。
アカデミー賞を受賞者した主演の二人の
演技は見事でした。
アンソニー・ホプキンスは観るものを
恐怖に陥れる怪演は誰もが戦慄しただろう。
登場時間は少ないがこれほど後世に
インパクトを残す悪役は他にいない。
そしてジョディ・フォスター。
美しいのはもちろんだが、言葉から情景が
伝わる演技は恐れ入りました。

彼女の過去のトラウマ。
羊たちの悲鳴を聞いたこと。
タイトルとの関係として、
羊たちの沈黙とは、
事件を解決してトラウマを
克服せよという意味だったのかな。

連続殺人鬼にも同じ過去の
トラウマがあった。
似たような経験をした過去から
現在をどう生きるのか。

自分が悪いことされたから
仕返すのではなく、
自分が悪いことをされたから、
同じ経験をさせたくない。

日常でも言えるだろう。
僕自身、学生時代部活動で
経験したことがある。
体育系の部活では、上級生が
立場が強く、下級生は理不尽な
ことを押し付けられることもある。
だから自分たちが上級生になったとき
変えた。
同じことを経験させたくなかった
からだ。
それは無意味だったからだ。

少し自分のことになってしまったが。
痛みを知り、それを学びとして
前向きに生かせるか。
ただ恐怖を感じさせる映画ではない。
そういった話のメッセージ性も
本作の魅力なのではないかなと思う。

検索したときに「羊たち」まで
で検索したら『羊たちの沈没』という
コメディ映画も出てくるので
くれぐれもお間違いなく。

「本質的なものは何か。本性は何かを問うのだ」
ぜん

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