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夜と霧のMKのレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
5.0
連休の最後に何も観なくても…と思いつつ、連休に観た作品の流れと商品到着のタイミングもあり、連休終わりに観賞。

原作も読んではいたけれど、やはり視覚情報から受けるメッセージは強烈だった。

ブルドーザーでかき集めて、穴の中に放り投げて埋め立てられる死体があるとしたら…自分には良い悪いは別にして害虫ぐらいしか思いつかない。

ある時のある民族のある思想、政策のもとに害虫さながら、人間としての尊厳すら認められない、認めない民族がいたという事実に目が眩んだ。

そんな非人間的な発想で無惨に生命を奪うくせに、自己満足的な人間性というか秩序の保たれているかの共同体を構築しているのがこれまた腹立たしかった。

建築に携わる身として、何の快適性もない作る側の好奇心に媚びるだけのデザインを施された収容所も許せない。

いじめが起きた時のいじめられる側への絶望的な思いやりの欠如に当たらずも遠からずなのかな?

害虫だとしたって、いたずらに奪われていい命なんてあるはずない。
害虫が害虫として扱われていることすら、害虫扱いしたい環境や価値観があるだけだと思うし。

とにかく不快感と嫌悪感しかないし、悲しくて切なくて仕方なかった。

だからこそしかと受け止めないと。

パッケージ背面に記された言葉。
『この地上に生きる者はすべて、この映画を見ねばならない。そうすれば、すべてはもう少し良くなるだろう。』
を信じてやまない。
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