アキヒロ

スプライスのアキヒロのレビュー・感想・評価

スプライス(2008年製作の映画)
4.5
面白い。気持ち悪くて最高。
人間の都合で生み出された生物の繁殖への渇望と悲哀が描かれた傑作。
どんなに不気味でも、
どんなに醜悪でも、
生物であるかぎり、"生きたい"し”増えたい"のだ。

男女の遺伝子研究者が、人間の治療困難な病気を治療するために、
人間の遺伝子を組み込んだクリーチャーを生み出してしまう。
倫理的問題も強く追及されている深い作品で、なんでこんなに評価低いのか謎。

このクリーチャーが絶妙に気持ち悪くて最高。
最初はH・R・ギーガーのような性器そっくりの見た目なんだが、
人間が組み合わさると小さな耳は未熟な眼球が出現。
あまりに気持ち悪くて目を逸らしてしまう。
エルサは母性からそのクリーチャーに「ドレン(NERDを逆から読んでDREN)」という名前を付け、愛着をもって育て始める。

製作総指揮にギレルモ・デルトロが入っていて、ドレンのある程度生育した第三形態はデルトロの大好きな『怪物園』に登場する人間にそっくりのデザインになっている。

ある日、ドレンはエルサとクライブの二人がセックスするところを目撃。
ドレンの存在は研究所では一眼を忍びにくくなり、郊外の倉庫に移り住むが、そこでドレンは無性に外に出て行きたがる。
おそらく繁殖をしたくて外に出ようとしているのだが、ドレンは唯一無二の種族。
最初は母親であるエルサに懐いていたのだが、次第にドレンは女性性を発揮してクライブを性的対象として見るようになってくる。。。
クライブもまんざらではなく、美しく化粧を施し共にダンスを踊るうちにドレンの中にエルサの面影を見るようになる。
そして、ついにクライブはドレンと一線を超えてしまう……が、すんでのところで邪魔が入る。

クライブとの子作りに失敗したドレンは、次見たときに顔が「男性的に」なっており…
なんとドレンは、その前の実験生物ジンジャーと同じく男型に性転換していたのだった。。。

その後、エルサのした結論を思うと…
元々ドレンはエルサのDNAを受け継いでいたので、"ソレ"はエルサの遺伝子を1+n/2だけ受け継いでいることに…
非常に面白かった。
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