これは若者の成長物語のド直球。
60年代ニューヨークの下町ブロンクスで、筋を通す父(デニーロ)に躾けられながらも、ギャングの首領ソニーに可愛がられる子供時代のカロジェロ。
この雰囲気が完璧に好み。
父がバスの運転手であることもツボ。
スプリングスティーンのマイホームタウンのような世界観。
8年後。
頭の弱い鉄砲玉のような連中とつるんで、道を踏み外しそうになる青年期のカロジェロを、なんとか踏み留まらせるデニーロとソニー。(デニーロは役名でなくデニーロ!)
デニーロはデニーロなので鉄板過ぎて何も言うことはありませんが、ギャングのソニーの人物造形も魅力的。
刑務所ではマキャベリを読んでいたと語るシーンが、彼の人物像の深層を想像させる絶妙な役割を果たしていて、見終わった後の余韻にさらなる厚みを加えてきます。
彼が恐怖で配下をまとめ上げていたのは方法論でしかなく、人間的本質は違っていて、愛情(弱み)を見せることが出来た唯一の存在がカロジェロだけだったことや、彼が孤独だったことがスッと繋がってくるという見事さ。
ビルドゥングスロマンの傑作であり、これはもう確実に名作認定!
お前に認定なんてされたくねーよと言われそうですが、、、