レオン

ブロンクス物語/愛につつまれた街のレオンのレビュー・感想・評価

4.2
見逃していた高評価 デ・ニーロ作品 (★平均4.0 アマプラ・UNEXT見放題) まさかこんな良作が埋もれていたなんて! デニーロ出演作は58本も見てるのに、確認出来てなかった・・。 

フィルマレビュー数もわずか2600ほどで、デニーロ作品ではかなりマイナーな作品・・と思いきや、これ十分に佳作以上名作級です。 やはりこの時代の作品で★4以上の平均は間違いない♪

フォロワーのらんらんさんのレビューで本作を知り、「ブロンクス物語・・」というタイトルがありがちで(ブロンクス○○や、ブルッククリン物語という作品もある)なので、自分でも視聴済みか否かが不明だったが、初見だった♪

まず冒頭、出演者のクレジットが出るシーンで、ドゥワップ音楽の「ワッ、ワッ」のリズムにシンクロして、路上野球の若者が球を打ったり、魚貝店で貝を買ってる老女が、店主が取ろうとしてる品を、「それじゃないわよ!」とのジェスチャーに店主はやれやれ、水道栓がシャワーの様に噴出して子供達がはしゃいでいたりと、わずか2分ほどの映像の中にも、見所が詰まっていて、私はこの時点で、「この作品は只者じゃないかも・・」と予感♪

まるで青春映画の様なスタートから、一変してバスを運転するデニーロの厳しい表情。 が、子供のいたずらを振り切ってあの独特の笑顔に♪ もうこの時点でこの作品の評価は私的に★4以上に。

物語はデニーロ親子が、地元のボスからの誘惑に如何に距離を置いて真っ当な生活を営むかと、そのボスと息子の信頼関係などを、シンプルかつ見事に描いていて、どんどん引き込む。

さらに特筆するのは、エキストラの人選とその演技だ!
ややバイオレンスシーンの後の、街の人々の顔・・どれもその街の本当の住民が唖然としてる様に見える。

地下での賭けダイスのシーンでも、十数人が一喜一憂するのだが、年配者の表情や、運が逃げるからと、トイレに追いやられる超デブ俳優等の演技も全て自然で、役を演じてる様に見えない。 本当に私銭を賭けさせたのではと思えるぐらい、楽しみ・悔しがっている。 このあたりの人物描写力がさすがハリウッドの実力で、そのセット内にいる、役者・スタッフらが、全てプロ中のプロだからなせる技である。

もちろん主な登場人物も全て素晴らしい。 子役も幼少期・少年期の二人とも目を引く。 さらにこの街のボス役の「チャズ・パルミンテリ」という役者。 他作で顔は知っていたが、独特の存在感を醸し、いい味を出している。 そしてビックリしたのが、脚本も本人が書いていて、自分がそのボス役を演じる事を条件に、作品にしたそうだ。 もともと舞台芝居用の脚本だった物を、デニーロが目を付け、デニーロが監督する事になり二人で作品に仕上げたようだ。

重くならない程度にバイオレンスも入り、息子の人種を越えての初恋や、真っ当に生きること等人生の教訓、多要素を自然にうまく描写していて、無駄に感じるカットも全くない。 いや~うまい!

レビューで知らせてくれた、らんらんさんに感謝♪

でもなぜこれほどの作品で、デニーロというビッグネームが演じているのに、見てる人が少ないのか!
私は配給会社がメジャーでないのが、大きな要因になったのではと危惧する。 尚、米評論家のレビュー評価もいいのに、総制作費の約1.7倍の興行収益のみという微妙な結果しかならなかった様だ。

昨日、デニーロ出演最新作の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」も見たが、私的には冗長な凡作にしか感じず。 あの作品にお金を出して長時間拘束されるなら、無料配信の今作を、是非オススメします♪

★評価はもっと多くに方に見て頂きたく、平均に0.2をサービス加点♪
物語以上に、人物描写に注視してご視聴を♪
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