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ブロンクス物語/愛につつまれた街のCinemanのレビュー・感想・評価

3.0
『ブロンクス 愛に包まれた街』
ロバート・デ・ニーロ監督
1994年 アメリカ 
鑑賞日:2024年3月13日 Amazon Prime Video

ロバート・デ・ニーロが初監督・製作・主演の3役を務め、彼が生まれ育った60年代のブロンクスを舞台に、ひとりの少年の成長と彼を取り巻く人間模様を描いた自伝的青春映画。
とても地味な作品だけれどじんわりと心にしみるいい作品だった。
あの年代を生きてきた人にとっては60年代の風俗と音楽に包まれた街の風景がたまらなく郷愁をそそります。

【物語の概要】
1960年代のブロンクス。
9歳のカロジェロ(フランシス・キャプラ)にとって、この一帯を牛耳るマフィアのボス、ソニー(チャズ・パルミンテリ)は憧れの存在だった。

ある日、ソニーが殺人する現場をただひとり目撃したカロジェロは、ソニーは面通しで犯人ではないと証言。以来、ソニーは彼をかわいがり、いろいろなことを教えてくれた。

カロジェロの父ロレンツォ(ロバート・デ・ニーロ)はイタリア移民で、実直なバスの運転手だった。
まだ幼い息子が権力と金に引きつけられることを恐れた彼は、厳しく忠告する。だが、父の心配をよそにカロジェロは裏の世界に精通し、ソニーを父のように慕って成長する。

8年が過ぎ、17歳になったカロジェロ(リロ・ブランカート・ジュニア)はCという愛称で呼ばれ、一目置かれる存在となっていた。

そんなある日、彼は父の運転するバスで出会った黒人の美女ジェーン(タラル・ヒックス)に恋する。だが、当時のブロンクスは黒人とイタリア系米国人が激しく対立しており、2人はいわばロミオとジュリエット的存在だった。
いつしか人種間の対立は抗争へと発展し、カロジェロは不良仲間と黒人街を焼き討ちに行こうとするが、ソニーは力づくで止める。
その直後、黒人街に襲撃に行った友人たちが爆死し、やがてカロジェロの恋も終わりを告げた。

彼はあの時止めてくれたソニーに感謝の言葉を言おうと彼の元に向かうが、ソニーは暗殺されてしまう。
彼を射殺した男は、かつてソニーに殺された男の息子であった。

ソニーの葬儀後、カーマイン(ジョー・ペシ)という男が跡目を継ぐ。
カロジェロは、父ロレンツォが実はソニーを嫌悪していた訳ではなく、ただカロジェロのことを心配して厳しくしていたことを知るのだった。

~MOVIE WALKER PRESSより~

【Trivia & Topics】
✥原作について。
原作は本作のソニー役で出演しているチャズ・パルミンテリ。
俳優として芽が出る前にオフ・ブロードウェイで俳優を続けながら非正規雇用の警備員として働いていたパルミンテリは自伝的一人芝居『ブロンクス物語』を執筆して上演していた。
ブロンクス出身のデ・ニーロがこの芝居を気に映画用に脚本を改定して制作された。

✥60年代ポップス。
本作には多くの60年代のヒット曲がBGMとして使われています。
・ディオン&ザ・ベルモンツ『アイ・ワンダー・ホワイ』
・クレフトーンズ『リトル・ガール・オブ・マイン』
・ボビー・マーシャン&ザ・クラウンズ『ドンチュー・ジャスト・ノウ・イット』
・マイルス・デイヴィス『フラメンコ・スケッチ』
・ラスカルズ『ア・ビューティフル・モーニング』
・アーロン・ネヴィル『テル・イット・ライク・イット・イズ』
・ウィルソン・ピケット『99 1/2』
・トニー・ベネット『ジョアンナが恋する時』
・ジョン・コルトレーン『セイ・イット』
・ビートルズ『カム・トゥゲザー』
・ムーディー・ブルース『サテンの夜』
・フォー・トップス『恋を求めて』
・キンクス『ユー・リアリー・ガット・ミー』
・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『見張塔からずっと』
・インプレッションズ『アイム・ソー・プラウド』
・クリーム『ストレンジ・ブルー』
・ジェームス・ブラウン『マンズ・マンズ・ワールド』
・ドナルド・バード『クリスト・レデントール』
・フランク・シナトラ『ザッツ・ライフ』他。

【5 star rating】
☆☆☆
(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。
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