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ある子供のsnatchのネタバレレビュー・内容・結末

ある子供(2005年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「少年と自転車」の時もそうでしたが、二時間もこんなに人間の行動に集中するものかと、映画の強さに圧倒され溜め息と脱力感に襲われる。
それも、主人公ブリュレは浅はかな思いつきと愚行の繰り返しで、観ている自分の表情は石みたいに強張ってきたし、でもコイツが主役なんだと自分に言い聞かせ、それでもラストまで許せなかったが、私は強迫されたかのように彼を観続けた。
それは、監督が描写するブリュレという男が作り物ではないと感じさせるから。彼に染みついてしまったこの救いようのない生き方を、私は緩む事なく緊張が張り詰めたままこの男をずっと見つめていく。こんな映画も珍しい。
しかし、そう、彼は盗む→売る→盗む→売るしか知らない子供なのだ。彼の育った境遇は詳しく描かれないが、なんとなく想像できる。こんなロクでもない男がいるが、生まれた時から、こうなりたかったわけではない。この男の背後にいる、私や誰もが関わりたくない見捨てるような彼とこの若いカップルをすくい上げる監督のまなざしが優しい。
強き母となったソニアも、たぶんこれからも何度でも彼を放り出し、でも見捨てはしないのでしょう…👨‍👩‍👦
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