すみ

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版のすみのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

配信が完全版しかなくて先に完全版を見てしまったのだけど、通常版の方から見た方が良かったのかな?
主に後半の中年期の恋愛パートがカットされているみたいなので確かにそっちの方が好きだったかもしれない...けど、気にならないくらい素敵な映画だった。

最初の少年トトとアルフレードのシーンはどれも素敵で、最後のシーンは号泣。約束覚えててくれたんだね。

「辛くなったらいつでも帰っておいで」という背中の押し方もあれば、アルフレードや母親のように「帰ってくるな」という思いを込めた鼓舞もある。

アルフレードがエレナとトトの仲をとりもたなかったのは、トトにとっては不幸なのかもしれない。
実際に映画監督として成功しても、自分には何かが足りないと感じているのだから。
映画監督と恋愛は両立できなくて、きっとどちらを選んでも無い物ねだりだっただろう。
そんな中、アルフレードがトトに映画の道を選ばせたのは、映画を愛してやまないトトには、辛い映写技師ではない形で映画に携わる道に進んで欲しかったのもあるだろうけど、心から映画館を愛していたアルフレードの最後の願い(我儘)という意味もあるのかなと感じた。

「ノスタルジーに惑わされるな
自分のすることを愛せ
子供の時映写室を愛したように」
最後に、最初の子供の頃の思い出を持ってくるのはずるすぎる....。

「視力は失ったが、前より見えるようになった」で、トトが少年から青年に変わるところがすごく素敵で、目を奪われたシーンだった。あと、出迎えたお母さんの毛糸がとれていくところもお洒落だったなあ。

トトとアルフレードの関係は、友達であり師弟であり、親子であり、兄弟だった。人間の関係性は一つに当てはめられないなと本当に思った。すごく愛おしかった。
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