ポンコツ娘萌え萌え同盟

エノケンの法界坊のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

エノケンの法界坊(1938年製作の映画)
3.1
急に歌うよ!

エノケンものは何気初めてですね!なんでも「日本の喜劇王」らしい。
”喜劇王”と言えば個人的に敬愛するバスター・キートンの印象が強いけど、なるほど確かにこれもコメディ映画だしラストも喜劇である。

ただチャップリン、キートン、ロイドとの映画とはまた違った作り感じ。
『エノケンの法界坊』はとにかくセリフにセリフ。喋っているシーンが多くてほぼ物語に息をつくことなし。
ついでにテンポもクソ早いし、特に開幕の方はだいぶ振り落とされそうになったかな!
ただそれと若干ミュージカル(?)ぽいところもあって急に歌い出すから少々リズミカルなテンポが特徴的だった。ただついていけるか、ついていけないかは別として。他のエノケン作品ももしかしたらそうかもしれないけど初見の私として新鮮だった。

ただ一方で印象に残るかというとそれでもない。物語はシンプルにおくみを得るために鯉魚の一軸を巡る話だ。
コメディ的には壺に手を突っ込んでしまうところ、おでん隠れ、ホラーシーン的なところぐらいしか残らないと思う。その中だと火の玉からホラー的な場面がコメディ×ホラーが一番映像的に面白かった。でも全体的にコメディとしてはイマイチパッとしない。

ただ一方で結婚シーンのbgmが時代劇なのに洋風(よくあるチャンチャーチャチャチャンー♪のやつ)から一転する音楽の演出はわりと好きでした。