佐藤克巳

風の女王の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

風の女王(1938年製作の映画)
4.0
音楽の佐々木康監督らしい心地良い青春映画と思いきやラストのどんでん返し。片岡鉄兵原作じゃぁ一癖も二癖もある。閉塞感に苛まれたピアニスト志望の次女高杉早苗が、会社専務佐野周二に呼び出された長女三宅邦子に頼まれ、銀座の喫茶店に同行。佐野は三宅を密かに愛しフランス洋行員に推薦するも、佐野の学友で社員笠智衆に洗脳された三宅は断ると、高杉は佐野をスポンサーにする事を思い立つ。高杉は電話で佐野を呼び出したり、家出してホテルで毒薬で脅し愛人生活を楽しむ。本気で佐野を愛した高杉が失踪したある嵐の夜、伊豆の旅館で佐野と関係が出来てしまい、佐野は面子を失い行方を晦ます。三宅もフランスに旅立った。さて、左の方、戦前の暗黒日本は何処へ?
佐藤克巳

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