子供の暴力行為を起因として話し合いになった二組の夫婦が、さまざまな論争を繰り広げる。
オフビートな会話の気持ちよさがたまらない。論争が加熱していって起こされるヒステリーを非常に客観的に、且つコミカルに描き出している。
また、言葉の応酬による人間性の発露がシニカルで味わい深く、ある点においては文脈を共有するもの同士で意気投合するのも化学反応のような面白みを持つ。
繰り返しを多用して、じわじわとボディブローのように笑いに転じていくのも巧妙。中でも携帯電話のくだりは最高に笑ってしまった。
役者陣の演技力やカメラワークも手伝い、二転三転する話題や立場を大いに彩っている。
完成度が高く、随所に技巧が光る会話劇。