えばら

おとなのけんかのえばらのレビュー・感想・評価

おとなのけんか(2011年製作の映画)
4.0
EDMばりに盛り上がっていく口喧嘩のバトル・ロワイヤル。これを笑って一緒に観れる人って、どれくらいいるのだろう?

息子たちの喧嘩を収めようとする二組の夫婦の話。次第に話の筋がずれていって、もはや何のために集まったのか分からない。何とか軌道を戻そうとするけど、相手の些細な言動に気が触ってまた別の方向へ。最後は最高過ぎる皮肉と悪口のオンパレードになり、かなり面白かった。

だんだんと本音になるに連れて、それぞれが持つ偏見や曲がったステレオタイプが出てくる。これが何ともリアルだし、その通りに味方と敵が目まぐるしく変わるし、演出上の立ち位置も変わる。
ただ話しているだけなのに引き込まれてしまって、技巧派の脚本という感じ。性別で判断することが良しとされていない現代に逆行しているノリも人間臭くて良かった。オチは予想通りで、何とも清々しい気分にさせてくれます。

全キャラいい感じでウザくて、いい感じで共感できる。けど、クリストフ・ヴァルツのウザさはピカイチでした。
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