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ギャング・オブ・ニューヨークのkirioのレビュー・感想・評価

3.6
話題を呼んでいるスコセッシとディカプリオの初タッグ
世紀末のニューヨークを舞台に権力と暴力と宗教宗派の闘争を描いた本作
ものすごく作り込まれている部分とあっさりしてるとこの密度差はスコセッシの手クセか
とにかくダニエル・デイ=ルイスに尽きる2時間40分


STORY
かつてない発展と暴力が入り混じる19世紀初頭のニューヨーク。行き場を失った移民や黒人が流れ着くファイブポインツは、その最たる街だった。
アイルランド移民で組織されたカトリック教徒の「デッドラビッツ」、先住を主張するプロテスタントの「ネイティブ・アメリカンズ」の対立が激化する中、遂にラビッツのヴァロン神父が倒れる。
 それから10年余り、ネイティブズの統領ブッチャーが支配するファイブポインツに、神父の息子アムステルダムが帰ってくる。持ち前の度胸でブッチャーに取り入れていく中、父の復讐を果たす機会を待っていた…。


イタリアのチネチッタに再現されたファイブポイントのセットは圧巻
スケール感からエキストラに至る衣装まで、「パイレーツ〜」並の世界観
さながらディズニーランドに来たような、長回しと大立ち回りは大作ならでは

そして、なんといっても、強烈なダニエル・デイ=ルイスに押されて縮小気味のディカプリオ。圧倒的に力量や経験の差があり、バランス感はない。それだけ、デイルイス側が名キャラクター。まさかのアカデミー"主演"男優賞もうなずける迫力。
吹き替えは玄田哲章も上手いが、やはり大塚明夫あたりがベスト

アクションドラマらしく、2人の因縁と対決を盛り上げた後で、ラストパートは選挙法をめぐるざっくりとしたアメリカ史にのまれてしまう
対決そのものも、冒頭より地味だったり、肝心の2人の対決がものすごく片手間だったり、ラストのスケールダウンが否めない

全般的にアクション風ではあるが、監督の根はそっちの畑ではないので、バトルやカッティングは少し奇妙な感じはする
ヒロインのキャメロンディアスも、闇を抱えたキャラの割にエピソードに欠ける

ものすごく押した一方で、そこまで形になっていない気もする大作

「ダークナイトライジング」ではこれをやりたかったんだろう?クリスファーノーラン
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