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アンタッチャブルのTPのレビュー・感想・評価

アンタッチャブル(1987年製作の映画)
4.7
★1987年、1990年に続き4回目の鑑賞★

 一応史実に基づいてはいるが、元となったエリオット・ネスの自伝自体がだいぶ脚色されているみたいで、フィクションのエンターテインメント作品と捉えるべき内容。
 主演のコスナーは正統派のハンサムガイ、コネリーがいぶし銀の男くささで二人の魅力は真逆なのだが、共に長身で見栄えが良く、コスナーのアルマーニもばっちり決まっていて、まさに男が惚れる男達!また、経理屋のウォーレスと新米警官のストーンも程よい出演具合で魅力的。
 展開も早くて、印象に残るシーンと音楽のガブリ寄り。私が大好きなのは、カナダとの国境でカポネ一味の取引現場に急行する“アンタッチャブル”4人のシーン。
 「いつかは誰でも死ぬんだ」とマローンことコネリーの掛け声で駆け出し、モリコーネの壮大な音楽が奏でられ、秋晴れの中、馬にまたがる男達の絵だけでもう鳥肌もの。
 出演者たちが魅力的で、印象的なシーンが多く(ヒッチコックに陶酔しているデ・パルマを象徴するシーンも多い)、娯楽としてほとんど非の打ちどころのない作品。

 初回鑑賞時、映画館で2回連続で観た記憶がある。
 31年ぶりとはいえ、歳をとっての4回目の鑑賞となるとさすがにご都合主義的な展開がままあることには気づいてしまうのだが、元来私は正義に基づく信念を持った男達、勇気を持った行動、男の友情という題材が大好物なので、それらのてんこ盛りにより、減点部分を上回る加点を個人的にしてしまう結果、やっぱり評点は高くなる。

 エンニオ・モリコーネの音楽も特筆もの。
 本作と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「ミッション」「ニュー・シネマ・パラダイス」が私にとってモリコーネサウンドのベストなのだが、「ワンス~」と「ニュー~」はイタリアの雰囲気が強く、「ミッション」はキリスト教的雰囲気、そして本作はハリウッド的な仰々しさも加え、まさに変幻自在の映画音楽の名匠。
 この4作はすべてサントラ盤を持っていたくらいで、それぞれに印象的な旋律は死ぬまで忘れることはないだろう。
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