みーちゃん

アンタッチャブルのみーちゃんのレビュー・感想・評価

アンタッチャブル(1987年製作の映画)
3.9
午前十時の映画祭にて。オープニングクレジットから興奮した。今となっては信じられない出演者の顔ぶれ。それを劇場で観れるとは何という贅沢!

そして、エンニオ・モリコーネの、作品を確実に格上げする重厚な音楽(観客の心情を先導する大胆さで、伴奏の枠を完全に超えていた)ジョルジオ・アルマーニがWardrobeでクレジットされていることにも、ぐっときた。

もう一つの楽しみは再鑑賞による変化。私はケビン・コスナーがどうも苦手。だから以前観た時は、作品の良さは分かるけど、感情移入できず不完全燃焼だった。

で、今回も作中のエリオット・ネスは、やはり、どこか掴めないキャラクターだと感じる。彼の考えや行動が読めない気がして、なんだか安心できない。

その理由はケビン・コスナーの好き嫌いはさておき、ネスだけ、あの強い正義感がどこから来るのか、パーソナルな拠り所やバックグラウンドが明かされていないからだと思う。そこがマローンやストーン、ウォレスに対して抱く絶対的な安心感、信頼感とは、決定的に異なる気がする。

でもチームとして考えると素晴らしいバランスだった。彼のお陰で互いの良さが引き出され、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、チャールズ・マーティン・スミスの存在が際立っているのは確かだ。カナダ国境の摘発で、それぞれが次のステージに登るシークエンスも好き。

ロバート・デ・ニーロも、きっちり役割を果たしていて、おもしろかった。