CANACO

アンタッチャブルのCANACOのネタバレレビュー・内容・結末

アンタッチャブル(1987年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

1987年公開のブライアン・デ・パルマ作品。実在した酒類取締局の捜査官エリオット・ネスによる自伝『The Untouchables』が原作。

1925年から1932年の間、今も実在するシカゴのギャング「シカゴ・アウトフィット」のボスだった“スカーフェイス”アル・カポネの酒の密造と脱税を、チーム「アンタッチャブル」が取り締まる物語。禁酒法は1920年から1933年まで施行されたが、それがギャングに密造販売という新しい大口ビジネスを与え、ギャングと警察の全面戦争に至る皮肉な結果となった。

実際にはもっと多くの「アンタッチャブル」チームがいたようだが、本作のチームは4名。ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、チャールズ・マーティン・スミスと強力な布陣で構成。
対するアウトフィット側はアル・カポネを演じたロバート・デ・ニーロと、(実際はアウトフィットの跡を継いだ)フランク・ニッティ役を演じたビリー・ドラゴがメインだった。

1回めの手柄をあげたときから、この中で何人死ぬのかと不安になったが、やはりの展開で胸が痛くなった。実際にもエリオット・ネスの親友が命を落としたらしく、銃撃戦で殉職した警官や一般市民も多かったらしい。
そんな中で燦然と輝くのがシカゴ・ユニオン駅のアンディ・ガルシアの活躍。デ・パルマの痺れるほど美しい構図もあり、これは惚れてしまう。このシーンは『戦艦ポチョムキン』のオデッサの階段のシーンが元らしいので、ぜひ見てみたい。

ホラー映画のようなショッキングな見せ方もあり、耐性低いと血が出るシーンはちょっとつらい。しかし、間違いなく映画史に残るシカゴ・ユニオン駅の銃撃戦や、(アル側は陪審員を買収したが、全員入れ替えられた)ほぼ実話通りの最後の法廷劇まで最後までスリルを与えながら観客を惹きつける。またデ・ニーロが本当にいやらしい大玉悪党を演じていて素晴らしい。

デ・ニーロは役作りのため、額の生え際の髪を抜いたそうですが、本作に関して体はボディスーツ着用らしいです。
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