菩薩

ひみつの花園の菩薩のレビュー・感想・評価

ひみつの花園(1997年製作の映画)
4.1
何もかもが速過ぎて何が何だか分からんうちに終わった、スクリューどころではない、240キロくらいの豪速球が竜巻の様に渦を巻き全てをなぎ倒していくかの様な感覚。冒頭10分の尋常じゃない速度の時点で只事じゃないと思ったが、全くスピードを緩める事なくまた新たな地平に向かって飛び立とうとすらしてしまう。シナリオを煮詰めていけばドラマ1クール分は行けそうな内容、それをたかだか80分弱で駆け抜けてしまうのだから全てがダイジェストばりにバッサバサと切り刻まれ繋がれていく。どう考えても頭がおかしいがギリギリのところで破綻はしていない理性の保ち方にも驚く。ストーリーを説明せよと言われてもほとんど不可能だが、金銭への執着がただひたすら主人公を疾走させ続ける物語とだけは書いておこう。伊集院光が教習所の教官役で出てくる、鈴木卓爾なんて出てきて速攻殴り倒されて退場する。銀行強盗なんてのも随分遠くなりにけりな現代だが、世紀末のこの能天気さにあてられてしまうと、いよいよ生き辛い時代になったと思わざるを得なくなる。圧巻、圧倒。あの西田尚美が森三中の大島にしか見えないのも凄い。
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