実在した野生児の生涯を描いた映画。
パッケージで目を見開いた男の印象から狂気溢れるサイコホラーかなにかと想像していた。
観てみると想像と違った。
牢屋に幽閉されていた男、カスパー・ハウザーは鎖でつながれていたせいでまともに歩くこともできなかった。教育もうけないので文字を書くどころか喋ることすらできなかった。
当局に保護されると、様々な検査を試み彼の異常性を探った。
次第に読み書きや、マナーや楽器演奏など社会へ慣れていったが、
そんなかで見世物小屋に出されたり、上流階級の集まりで嘲笑われたり、
なにも分からなかったが彼は次第に人々の汚さにストレスを感じ始めた。
実物のカスパーハウザーも特異的な感覚の持ち主だったようで、最初と最後の風景や砂漠の話は彼にしか見えないものだったのかもしれない。
単なる変な人ではなく、独特すぎるゆえに主人公を演じたブルーノ・Sはそう見えさせた点ですごい演技だったのかもしれない。
映画をみて実在の人物と知ったが、ラストと、結局謎のままというか、彼の存在意義とは?みたいなもやーっと終わった感じが嫌に残った印象。