Benito

憲兵と幽霊のBenitoのレビュー・感想・評価

憲兵と幽霊(1958年製作の映画)
3.7
【 冷血、狡猾、でも美しい天知茂 】

映画の前半、結婚式の席に招かれた天知茂が新婦を見る鋭い眼つき、そしてカメラワークが凄い。ヴィスコンティの映画に出てくる色気のある俳優にも負けない存在感で、冷酷な眼差しだけでなく、顔、独特な佇まいに釘付けになる。

本作は前半から中盤は天知茂演じる憲兵が職権濫用して同僚を謀殺し、新婦を奪い取るもポイっと捨てたと思ったら、今度はスパイ要素が入り込み、ナイトクラブで戯れていると、妻を奪われた同僚の怨念が襲いかかり、、いよいよ後半はホラーな展開に突入。てんこ盛りのアイディアとシナリオに脱帽。

そもそも「憲兵とバラバラ死美人」(1957年)のヒットがあって同じ天知茂と中山昭二のW主役で本作「憲兵と幽霊」を製作しているようだから、こちらも観たいところ。これらを企画した新東宝(現存しない)も凄いな。
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