イチロヲ

愛獣 猟る!のイチロヲのレビュー・感想・評価

愛獣 猟る!(1983年製作の映画)
3.5
横須賀で土産物店を経営する女性(沢田和美)が、米兵向けの売春宿を経営する伯母(橘雪子)に感化され、無意識的に黒人男性の体を欲していく。黒人男性を追い求める日本人女性の葛藤を描いている、日活ロマンポルノ。「猟る」は「あさる」と読む。

アメリカの航空母艦ミッドウェイが停泊する、横須賀でゲリラ撮影を決行。片言の英語のやり取りを生々しく演出しているため、日本の商売女と在日米兵のコミュニケーションを隙間から覗き見ているような錯覚がする。

あくまでも、特殊な環境の中で生まれ育った日本人女性の「幸せ探し」の物語。黒人視点では「心を通わせられる日本人女性との出会い」という、自分にとっての「女神捜し」の要素が内包されている。

異国間交流が盛んな地域での性風俗がスケッチされており、若い娼婦(西川瀬里奈)のシークエンスに、フィクションとは思えないほどの訴求力がある。果たして、黒人の役者は素直にチン貼りを使ったのだろうか。
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