MikuOshika

ニンゲン合格のMikuOshikaのレビュー・感想・評価

ニンゲン合格(1999年製作の映画)
3.6
黒沢清らしい淡々とした作品。いい意味で。
役所広司の使い方といい素晴らしい。
14歳の時の事故により昏睡状態で10年間眠り続けた少年が青年となり突然目覚めるところか始まる。
日々、何事もなく過ごしてはいるけれど
長年眠っていたせいか
現実なのか夢なのか
はたまた自分が存在しているのか分からない世界で気分と流れで
やりたい事を今精一杯できるだけの事をする生活をする青年、豊の姿がいい。
若かりしロン毛西島秀俊さんが
時折みせる14歳の少年のような表情と動きが良かった。
大杉漣さんの役割が
彼の存在を大きく動かすとは。
そしてあっけないラストと家族が揃う時
切ない。
人間らしく、歩き走り、働き作り、育て、
ニンゲン合格ですわ。
MikuOshika

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