YYamada

1941のYYamadaのレビュー・感想・評価

1941(1979年製作の映画)
2.4
【監督スティーブン・スピルバーグ】
第5回監督作品
◆ジャンル:  
 コメディ
◆主な受賞歴
 なし

〈見処〉
①第二次大戦下を描くブラックコメディ
・『1941』は『未知との遭遇』の2年後となる、1979年に公開されたコメディ映画。
・舞台は、日本海軍による真珠湾攻撃から6日後の1941年12月13日。米国本土攻撃を目論む大日本帝国の潜水艦が海岸に出現。
・一方、アメリカ西海岸カリフォルニアの田舎町は「次はカリフィルニアが襲われる」という恐怖感に包まれる。スティルウェル中将が防衛任務に着任し、市民防衛作戦を発令し、防衛体制を牽いていた。その頃、この田舎町をハリウッドと勘違いしたミタムラ艦長(三船敏郎)は、ハリウッドにダメージを与えればアメリカ人の戦意を挫けると判断し、攻撃命令を下すが…
・本作は、スピルバーグ最大の失敗作として、自他共に認知されている作品である。

②スピルバーグ33歳、初めての挫折
・『ジョーズ』『道との遭遇』とヒット作を連発するスピルバーグ。本作にてコメディ映画製作に進出するが、スタンリー・キューブリックやジョン・ウェイン、チャールトン・ヘストンなどのハリウッドの大物から、第二次大戦を題材にしたコメディ作の製作中止勧告を受けながら、スピルバーグと、本作プロデューサーのジョン・ミリアスは、本作製作を強硬。
・のちに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』製作コンビのロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルが書いた脚本は、スピルバーグのスペクタルな演出作風に合わず、製作費も次第に膨張。同年に公開されたF.コッポラ 監督作『地獄の黙示録』 を大きく上回る 71億円の巨費をつぎ込みながら、興行面は大失敗。
・スピルバーグ曰く「あの頃の自分は驕っていた。観客にも批評家にも酷評されたことが自分にとって1番いい出来事だった。以降は謙虚になった」そうだ。

③本当に酷い作品なのか?
○: スペクタクルな作風はスピルバーグ特有。彼の演出とわかる。
○: ジョン・ウィリアムズによる劇中曲は、本作唯一の至第点レベルにある。
○: 三船敏郎ほかの日本人(風)キャストに対する演出は「トンデモジャパン」になっていない。
▲: ミッキーローク・デビュー作だそうだが、何処に出ているかわからない。
×: ドタバタ・コメディからコメディ要素を取り除いた作品。爆笑おろか一秒たりともニヤリとするシーンすらない稀有なコメディ作品。
×: 非難を浴びながら大戦下を舞台にしながら、何を描こうとしたのかさっぱりわからない。
×: 登場人物全員に存在意義がない。
×: 当時の人気者ダン・エイクロイドとジョン・ベルーシの使い捨てキャスティング

総括すると、評判に違わず「酷い映画」と呼ばれることに納得出来る作品であった。
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