今見てもスタイリッシュなトニー・スコット監督の秀作
映像は乾いた感じで、テンポ良く切り替えるカメラワークにトニー・スコットのセンスを色濃く感じる。
サスペンス作品なのでテンポの良さを強調し、登場人物の心情をエモーショナルに描いたり余韻を醸したりなどを極力排除しているのが潔いし、監督の作風でもあるかなと思う。
見ていると、徐々に加速していく感覚が心地よくなってくる。
主演のロバート・デ・ニーロはこの時53歳で脂がのった時期。本作の主人公を嬉々として演じていて、見た後はデ・ニーロ以外は考えられないほど。
スコセッシの『ケープ・フィアー』なども同様で、この手の異常者を楽しそうに演じている。
約28年前の作品だが、スリリングにスタイリッシュに見えるのは監督の手腕だろう。本当に惜しい人を失った。
