メイプルわっふるG

東海道お化け道中のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

東海道お化け道中(1969年製作の映画)
3.5
大映特撮妖怪シリーズ 三部作第三弾

シリーズで一番の渋さ。因果応報の勧善懲悪。前作より対象年齢高めの人情股旅物。
コメディなら2作目、物語なら今作が一番面白くて好み。

妖怪たちはテリトリーを侵すものには祟るけれど、人間社会には関与せず。その線引きが却って人外の存在を際立たせる。また、日本妖怪や祟りの表現が、その意味合い重視ってところも嬉しい。音や幻で存分に恐怖を与え、戒めとしての警告を心身に刻みつける。
海外の悪霊や化け物だと、人があっさり死にがち。今作でも人死にはあるものの、幻による同士討ちだったりと直截的な殺害は少ない(なくはない)。妖怪固有の特殊能力による影響、その結果として制裁される。まさしく祟りだ。

浜松に入るとコメディターン。夫婦漫才や桶犬との戯れ。序盤と終盤のシリアスに挟まれ、町の人間模様に一息つく。
そして明かされる事実!な展開からのサイコロ勝負。妖怪とは別でここにも不可思議な出来事が。心温まる怪奇現象。

現代ホラーも好きだけど、フォークロアなホラーは国内外問わずさらに好き。歴史の積み重ねで設定も解釈もたっぷり。おまけに文化遺産にもなるのだから、これからも作品が増えることを切に望む次第。


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鑑賞 2020.08.02 時代劇専門チャンネル